このページは自分の病気についての理解をまとめたものです。治療については、かならず主治医の指示にしたがってください。
ADPKDはAutosomal Dominant Polycystic Kidney Diseaseの略で、常染色体優性多発性嚢胞腎のことです。
この病気であることが分かるのは、
- 遺伝性の病気であるため、父母あるいは祖父母がこの病気であることが分かっていて、自分に遺伝しているかのチェックのために検査したとき
- 健康診断の成人病検査の超音波検査で指摘されたとき
- 健康診断の尿検査および血液検査で基準値を超えたものを指摘されて、病院で検査したとき
になると思います。
この病気は、腎機能が低下していき、最終的には透析が必要となります。詳しくは、「ADPKD.JP 多発性嚢胞腎がよくわかるサイト」を参照してください。
ADPKD.JP 〜多発性嚢胞腎についてよくわかるサイト〜 | 大塚製薬
ADPKD(常染色体優性多発性嚢胞腎)の診断や治療に関する情報をわかりやすく解説しています。日常生活において注意したいことから、医療や食の専門家コラムまで幅広く掲載しています。
難病に指定されています。詳しくは「難病情報センターの多発性嚢胞腎(指定難病67)」を参照してください。
多発性嚢胞腎(指定難病67) – 難病情報センター
また、患者向けではないと思いますが、エビデンスに基づくPKD診療ガイドラインを日本腎臓学会のHPでPDFで読むことができます(2014、2017、2020)。読んでみて、先生に質問してみるのも良いかも知れません。
一般社団法人 日本腎臓学会|Japanese Society of Nephrology
残念ながら、根治療法はありません。そのため進行を抑え、透析の開始を遅らせることが重要となります。そのためできることは以下だと理解しています。
- 食事制限
こちらを参照してください。 - 水分補給
「ADPKD.JP」には、2.5~4L/日と書かれています。結構多いと思います。
水分補給については、こちらを参照してください。 - 薬
- 血圧を下げる薬
血圧が上がってきたら、先生が処方してくださるでしょう。 - 尿酸を下げる薬
値が上がってきたら、先生が処方してくださるでしょう。 - カリウムを吸着する薬
食事に気を付けていても高くなれば、先生が処方してくれるでしょう。 - 進行抑制する薬
大塚製薬から「サムスカ」という名前で(医療機関向けに)販売されています。かなり高い。難病申請をして認定されないと、まず払えない気がします。場合によっては認定されても厳しいかも。
上の水分補給で2.5~4L/日と書きましたが、サムスカは利尿薬なので、服用時には5L/日以上の水分補給をすることになります。
- 血圧を下げる薬
- 貯金
上にあげた「サムスカ」だけではなく、今後確立される治療法にそなえて、お金を貯めることをおすすめします。
今後10年以内に実現するかもしれないと期待している治療法について
- iPS細胞による腎臓再生
日本でもいくつかの大学などで、iPS細胞による腎臓再生について研究されています。東京慈恵医科大学の横尾先生のインタビュー記事では、「10年以内、可能であればそれよりも前倒しで、実際の患者さんに対する応用をスタートさせたいと考えています。」と書かれています。
また博報堂の生活総研の未来年表の医療技術で、「2024年 肝臓、腎臓、心臓の再生医療が実用化する」、「2025年 iPS細胞を使った腎臓の再生医療が応用段階に入る(従来計画の2021-22年を見直し)」とあり、(前の予想より遅れてきていますが、)非常に期待しているところです。
腎臓の再生医療を実用化するために-10年以内に腎不全患者さんへの応用を
心身への負担も大きい透析治療を受けている患者さんのなかには、先天的な腎臓病を持つお子さんもおられます。このような小児患者さんは、移植を受けるか新たな治療が開発されない限り、生涯にわたり透析治療を受け続けなければなりません。また、世界に...
未来年表 | 生活総研ONLINE
2100年までの未来予測関連の記事やレポートを整理した未来年表データベースから、未来予測を検索することができます。
- The Kidney Project
アメリカのUCSF(カリフォルニア大学サンフランシスコ校)で研究されている、埋め込み型の人工腎臓。2021年末までに臨床試験の最終段階に到達する予定と書かれています。COVID-19パンデミックの影響などもあり遅れているようです。また、アメリカ以外に展開されるにはさらに時間が必要です。
Home · The Kidney Project
TheKidneyProjectisanationalresearchprojectwithagoaltocreateasmall,surgicallyimplanted,andfree-standingbioartificialkidneytotreatkidneyfailure.Thebioartificialki...
- ブタの腎臓
アメリカのニューヨーク大学ランゴーン医療センターで、遺伝子操作で拒絶反応を引き起こす遺伝子を取り除いたブタの腎臓を、脳死状態の患者の足の付け根の血管につないで、老廃物を取り除いた尿が作られることを確認したとのニュースがありました。
Progress in Xenotransplantation Opens Door to New Supply of Critically Needed Organs
ThefirstinvestigationaltransplantofageneticallyengineerednonhumankidneytoahumanbodywasrecentlycompletedatNYULangoneHealth.Learnmore.